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1: 風吹けば名無し 2020/08/15(土) 10:20:07.76 ID:7subloJPM
次の企画を考え始めているが、「戦争論」が分からないと書けないな、ということが分かってきた。

 アニメ界は(女子高生による戦車を用いた武道を描く)「ガールズ&パンツァー」や(軍艦を 少女に見立てた)「艦これ(艦隊これくしょん)」のような物語が出てくるようになった。エンタメ だからと認めている部分もあるが、これでいいのかとも思う。われわれの世代としては「戦争 はそんなふうに扱うものではないのでは」という気がして、気持ちがいいものではない。

 最近では「この世界の片隅に」は希有(けう)な作品だった。自宅近くの畑から戦艦大和が見えるという距離感、市民生活と軍があれだけ密着していたことを市民の目から描いていた。そういう作品を僕は他に知らない。
 毎年八月になると戦争体験の話をするが、それは被害者の体験談であって、戦争論ではない。日本人は本気になってリアリズムで戦争を考えて、自衛隊はいいのか悪いのかといった話をしてこなかったんだ。
 今後、地球上では国家間戦争はできない。エネルギー、食料、水、廃プラスチックといった環境問題があるからだ。軍隊を保有していても国家が消耗するだけだ。そういうところまで来ているのに、(自衛隊の)宇宙作戦隊なんてものを作っちゃう。そんな暇があるのだろうか。

 ミリタリー(軍事)というのは、半分くらいは一般人の考える「かっこいいもの」で妄想。でも、 かっこいいことなんて一切ない。戦争はやっぱりあっちゃいけない。しかし、戦争に憧れる人 類の妄想があるために、戦争がなくならないという不幸な現象がある。
 次の企画に戦争は出てこないが、戦艦大和は出てくる。形にできるか分からないけど     (談)

<とみの・よしゆき> 1941年、神奈川県小田原市生まれ。「ガンダム」のほか「聖戦士ダン バイン」などで総監督を務め、小説家としても作品の原作など著書多数。展覧会「富野由悠季 の世界」が昨年から全国巡回中。静岡県立美術館(9月19日から)など。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/49096


引用元:https://swallow.5ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1597454407/


【富野由悠季「『ガルパン』のような作品が出てきたが、戦争はそんな風に扱うものではないのではない」】の続きを読む