https://mainichi.jp/articles/20260423/k00/00m/020/067000c
2038年度末ごろに延伸開業する予定の北海道新幹線の新函館北斗―札幌について、財務省が建設で生じる利便性向上額を総費用で割った値(費用便益比)を試算したところ、26年3月時点で採算性の目安とされる「1」を下回ったことが明らかになった。国土交通省の評価基準に照らすと、「基本的に中止」に該当する水準だった。
23日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会で示した。
財務省はプロジェクトを中止すべきかの判断に使われる費用便益比について、建設主体の「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が25年12月、想定を上回る工事資材価格の上昇などで、事業費が最大1・2兆円増える見通しを公表したことを受けて試算した。
試算は公表されている事業規模などを一定の条件下で補正して単純計算したところ、事業全体の費用が3兆209億円に対し、便益は1兆9014億円にとどまり、費用便益比は目安の1を大きく下回る「0・6」となった。また、完成までの残りの事業に対する費用便益比も算出したが、採算性がわずかに見込めない「0・9」だった。
国交省の評価基準では、この二つの数値が目安の1を下回ると、投資に対する効率性が悪いとして「基本的に中止」に当てはまる。
鉄道・運輸機構が23年3月に出した前回評価時も事業全体は「0・9」だったが、残事業は「1・3」で1を上回っていた。そのため国交省の評価基準だと、「基本的に継続とするが、事業内容の見直しなどを行う」に分類されていた。
財務省は今回の試算結果について、「人口減少下の大規模インフラ整備は、事業の収益性の精査を適切に行い、国民の理解を得て推進することが重要」と憂慮。一方、物価高の影響などで収益の増加が今後見込めれば、「費用便益比は(1以上に)上振れする可能性もある」としている。
北海道新幹線の札幌延伸を巡っては、線路がつながっているJR東日本管内の新幹線の利用を促進する効果も指摘されている。そのため整備財源を確保する方策として、国はJR東に対し、札幌延伸によって得られる「接続利益」に伴う応分の負担を求める方向で検討しているという。
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